Harada Maho
佐賀県有田窯業大学校で器づくりの基礎を学んだハラダマホさん。
在学中にたまたま目にした練り上げの作品がきっかけで、練り上げの器づくりをするようになりました。
そもそも 練り上げとは?
柄を作る際、釉薬などで着色するのでなく、顔料を練り込んだ色粘土から模様のついた板を作り、それを石膏型にあてて成型します。金太郎飴みたいにどこで切っても模様がつながっているのが特徴です。
卒業後は山梨県の會田雄亮研究所に入所し、練り上げをさらに学んだ後に故郷である熊本県上益城郡山都町にて窯を構え独立しました。
作品は磁器になります。その製作プロセスですが、まずはデザイン画。
次にそのデザインを元に顔料を練り込んだ粘土を用意します。模様をブロック状へと組んでいきます。ブロック状の粘度は色土同士が馴染むよう数ヶ月寝かせます。この隣り合う色土と馴染ませながらゆっくり乾 燥させていくのが重要なポイントで、ひび割れなどを起こさせない工夫となります。
数ヶ月経ち色土同士が馴染んだら、作品の大きさによって厚みを変え粘土をスライスします。スライスした色土は石膏型で成形をし、器の大きさに合わせて、時間をかけて乾燥させます。乾燥した器の形を整え素焼きをし、さらに釉薬をかけて本焼きをします。長い期間、忍耐強い時間と、繊細で手間のかかる作業を経て、ハラダさんの練り上げの作品は完成します。
磁器は、土に比べ粘りが少なかったり、色によって収縮率が異なるので、色土同士の繋ぎ目が割れやすく、歩留まりも大きいのだそうです。それでも、磁器の発色の良さ、表面の滑らかさ、細い繊細な線の出しやすさなどが特徴でこだわりです。長い時間と試行錯誤を繰り返しながら、ハラダさんならではのデザイン、そして絶妙な色の組み合わせの作品が生み出されています。もちろん大量に制作できるものではありません。
作品一つ一つにハラダさんの高い熱量が一杯です。